https://www.federalregister.gov/d/2025-16190
対象機種
Viking Air Limited Model DHC-3(旧 Bombardier / de Havilland 設計)
発効日
2025年9月29日
背景
以前の AD 2022-23-08 ではスタビライザ・アクチュエータのロックリング点検を義務化していた。
しかし 2022年9月4日に米国ワシントン州 Mutiny Bay で発生した DHC-3 墜落事故の調査(NTSB 2023年9月報告)で、
クランプナットとスタビライザ・バレルが分離
ロックリングが欠落
非承認のモイスチャシールが設置され摩擦が増大
という問題が判明し、ロックリング欠落が事故原因の一因とされた。
これを受け、カナダ運輸省(Transport Canada)が AD CF-2024-46 を発行、FAA もそれを基礎に今回の新ADを策定。
要求される措置
スタビライザ・アクチュエータの 繰り返し点検(ロックリングの存在、正しい装着状態、クランプナットとの噛み合わせ確認)。
必要に応じた修理・交換。
トルクシール(witness mark)の適用。
セカンダリ保持機構(二次固定機構)の追加装備をもって、繰り返し点検を終了可能。
不適合部品(ロックリング欠落・未改修アクチュエータ)の取付は禁止。
費用見積り(米国登録機 64機対象)
点検:1時間 × $85 = $85 /サイクル
トルクセール適用:$85
二次保持機構の装備:17時間 × $85 = $1,445 + 部品 $795 → 約 $2,240
不具合時の修理:15時間 × $85 = $1,275 + 部品 $50 → 約 $1,325
FAAの差異(カナダADとの違い)
Transport Canada が示した「新クランプナットとセーフティワイヤを用いたオプション改修」の代わりに、FAA は 330時間以内に必ず二次保持機構を装備することを要求。
カナダ当局へのレポート提出義務は免除。
目的
ロックリングの欠落によるクランプナットの分離を防ぎ、昇降舵制御の喪失を防止。
飛行中のピッチ制御喪失を防ぐことを最優先としている。
Leonardo S.p.A. A109A, A109A II, A109C, A109K2, A119
一部の AW119 MKII
発効日
2025年9月9日
背景
ピッチ(縦方向)アクチュエータおよびロール(横方向)アクチュエータをサイクリック制御系のベルクランクに取り付けるボルトが誤って装着されたとの報告あり。
整備手順に誤解を招く情報が含まれていたことが判明。
この不具合は操縦系統の作動範囲を制限し、最悪の場合ヘリコプターの制御喪失につながる恐れがある。
要求される措置
該当ボルトの一回限りの点検を実施。
点検の結果に応じ、損傷や誤装着がある場合はボルト交換や関連部品の修正を行う。
損傷の定義は「摩耗を含む」。
特定の誤解を招く整備指示書は、今後使用を禁止。
特別飛行許可は認められない。
実施期限:25時間以内の運航時間で対応が必要。
コスト見積り
対象機数:米国登録機 238機
点検:1時間 × $85 → 機体あたり $85(合計 約 $20,230)
必要に応じた修理:39時間 × $85 = $3,315 + 部品代 $24 → 機体あたり $3,339
根拠
欧州航空安全機関(EASA)AD 2025-0142(2025年7月7日付)を基礎にFAAが採用。
連邦航空法 49 U.S.C. §44701 に基づく発行
対象機種
Airbus Helicopters
AS332L
AS332L1
AS332L2
EC225LP
発効日
2025年9月8日
背景
欧州航空安全局(EASA)から、緊急用シーアンカーのピンに腐食が発生したとの報告。
極度の腐食によりピンが破断すると、飛行中にシーアンカーが誤って展開し、ローターを損傷して操縦不能に至る危険性がある。
要求事項
シーアンカーの点検を10時間の飛行時間以内または7日以内に実施。
腐食や亀裂が確認された場合、または直径が8.0mm以下の場合は、直ちに交換。
EASA緊急AD 2025-0146-E(2025年7月10日発行)を基準として実施。
報告義務は課されない。
フェリーフライト用の特別飛行許可は認められない。
規制理由
腐食は急速に進行する可能性があり、即時対応が必要。
通常の意見募集手続を経ずに即時発効。
費用見積もり(米国内44機)
点検:1機あたり128ドル(計約5,632ドル)
必要に応じた交換:1機あたり約4,791ドル(部品代含む)
位置づけ
本ADは暫定措置(interim action)であり、製造者の調査結果によっては追加的な規制措置が取られる可能性がある。
Airbus Helicopters
EC120B
EC130 B4
EC130 T2
発行:2025年8月22日
発効日:2025年9月26日
整備点検で、非常用フロートシステム (EFS) のインフレーションアセンブリにおいて、供給ホースと中央供給カップリングの間のリテーニングリングが欠落している事例が報告された。
この不具合が未発見のままだと、片側のみ浮袋が膨張 → 着水後にヘリコプターが即座に転覆し、乗員の避難が妨げられる恐れあり。
EFS のインフレーションアセンブリにリテーニングリングがあるか点検
欠落があれば 是正措置(リング取付、または Safran Aerosystems に送付)
対象のインフレーションアセンブリを持つ EFS の新規搭載は禁止
対象部品が搭載されていない機体は追加対応不要(グループ2扱い)。
EASA AD 2023-0166 (2023年8月25日発行)
Safran Aerosystems Service Bulletin 025-69-42 (2023年6月13日改訂00)
対象機体:359機
点検:
約 $383/機(労務4.5時間)
米国全体で $137,318
必要に応じた修理(リング取付):
約 $32/機
フライト許可:必要な場合、旅客なし・水上飛行なしのフェリーフライトは特別許可可。
報告義務は不要。
AD 文中では段落整理・文言の一部修正あり(ASB/SBの参照明確化など)。
FAA の安全性確保の権限(49 USC 44701)に基づき発行。
小規模事業者への経済的影響は軽微。
AD番号: 2025-16-08
発効日: 2025年9月22日
対象機種: Airbus Helicopters EC130B4 / EC130T2
部位: テールローターブレード(TRB)
TRBの根元部分に疲労亀裂が発生する可能性が判明。
亀裂が進展するとブレード破損やヘリコプターの操縦不能につながる恐れがある。
定期的なDye Penetrant Inspection(DPI: 浸透探傷検査)を実施。
亀裂が見つかった場合はTRB交換。
指定措置を行わない限り、該当TRBの新規装着は禁止。
特別飛行許可(フェリーフライト)不可。
整備・点検プログラムへ定期検査を組み込むことで、繰返し検査の終了措置とできる。
当初案にあった蛍光浸透探傷検査(FPI)専用要求や**検査員資格(Level II/III必須)**は、過度な負担との指摘を受け削除。
DPI(染色浸透探傷検査)も許容。ただしFPIが望ましい方法とされる。
EASAの改訂版(AD 2022-0150R1)に基づき、整備マニュアルの改訂を反映。
検査: 1時間あたり$85、最大$850/機(最大10ブレード/機)。
交換: 1ブレードあたり$4,515(作業4時間+部品費)。
整備プログラム改訂: $85/機。
FAAは、EASAの指摘を踏まえ、米国で運用されるEC130B4/T2について安全性を確保するため本ADを採用。疲労亀裂によるTRB破断・操縦不能リスクを防ぐことが目的。