FAA AD 2025-26-06

2025/12/31

FAA AD 2025-26-06 

https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/30/2025-24014/airworthiness-directives-aerospace-and-defense-oxygen-systems-sas-part-of-safran-aerosystems

対象機器
Safran Aerosystems(旧 Air Liquide)製

  • 携帯用呼吸装置(PBE)

  • P/N 15-40F-11 / 15-40F-80(全シリアル)


1. 概要

  • 本AD 2025-26-06 は、**AD 2025-25-02 を置き換える(supersede)**もの。

  • PBEの誤った装着(donning)が報告され、緊急時に乗員の機能喪失や致命的結果につながる恐れがあるため発行。

  • 従来ADで求めていた「整備/点検プログラムの改訂」は不要と判断され、運用文書への反映等が明確化・柔軟化された。


2. 有効日・期限

  • 発効日:2026年1月14日

  • 対応期限:発効日から 30日以内

  • コメント期限:2026年2月13日


3. 要求事項(必須)

  • Safran Aerosystems Service Bulletin 1540F-35-001(2025年10月10日)
    の 3.C「Procedure」 に従い、
    PBE装着手順(donning procedure)を最新化し、適切な文書に反映すること。


4. 認められる遵守方法(Methods of Compliance)

以下の いずれかで可(※整備プログラム改訂は不要):

  1. **運航マニュアル類(AFM/AOM/FCOM/CCOM 等)**へ装着手順を反映

  2. 全ての操縦・客室乗務員へ手順を周知・展開(配布・教育等)


5. 非輸送カテゴリー機(Non-Transport)

  • **自家用操縦士(Private Pilot以上)**が実施可能

  • **整備記録への記載(14 CFR 43.9 / 91.417)**が必須


6. 背景(要点)

  • EASA AD 2025-0222 に基づくMCAIが発端

  • 従来の手順・図示が誤解を招く可能性あり

  • 「酸素流音を直ちに確認すること」「黒いネックシールのみを把持すること」など、誤操作防止の明確化が主目的


7. コスト見積(FAA)

  • 約 80,000台影響

  • 1台あたり約85ドル(1時間作業)

  • 米国全体最大 約680万ドル(登録機数不明)


8. ポイントまとめ(実務向け)

  • ❌ 整備/点検プログラム改訂は不要

  • ✅ 運用・乗員向け文書への反映 or 乗員周知でOK

  • ✅ SB 1540F-35-001(3.C)準拠が必須

  • ⏱ 30日以内対応


 

FAA AD 2025-25-13 A119 / AW119 MKII

2025/12/30

FAA AD 2025-25-13
https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/29/2025-23861/airworthiness-directives-leonardo-spa-helicopters

対象

  • Leonardo S.p.A. Helicopters

  • 機種:A119 / AW119 MKII(全機、全カテゴリー)

発行元

  • 米国連邦航空局(FAA)

AD番号

  • AD 2025-25-13

  • Amendment 39-23221

  • Docket No. FAA-2025-5392

発効日

  • 2026年1月13日


背景・不具合内容

  • エンジン整備時の不適切な洗浄作業により、
    後部空気圧ライン(rear pneumatic line)内に残留物が閉じ込められる事例が報告された。

  • この汚染により、

    • 燃料流量の意図しない変化

    • エンジンの急加速

    • 出力低下(パワーロールバック)

    • エンジン不安定
      が発生し、ヘリコプターの操縦性低下につながる恐れがある。


ADの主な要求事項

  1. エンジン加速チェック(Acceleration Check)を繰り返し実施

  2. 結果に応じて以下を実施:

    • 後部空気圧ラインの交換

    • FCU(燃料制御装置)の点検

    • 必要に応じて修理または部品交換

  3. 加速値が最大許容値を超えた場合

    • 指定部品の交換が必須

    • 以降の繰り返し加速チェックは不要(終結措置)

  4. 最大値を超えない場合

    • 部品交換は任意の終結措置として認められる

  5. 要件を満たさないエンジンまたはFCUの搭載は禁止


特記事項(EASA ADとの差異)

  • FAA ADは EASA AD 2025-0199 を基本的に**全文引用(IBR)**して適用

  • ただし以下が異なる:

    • EASAで要求されている
      「300飛行時間または24か月以内の空気圧ライン交換」は
      FAAでは必須ではなく、任意の終結措置

    • 初回加速チェックは
      AD発効後10時間TIS以内に実施が必要

  • パイロット(自家用操縦士以上)による地上での初回加速チェック実施が認められる
    (整備士でなくても可)


費用影響(FAA試算)

  • 米国登録機:約12機

  • エンジン加速チェック:

    • 約 170 USD / 回 / 機

  • 状態次第で発生する主な費用:

    • FCU交換:約 9,340 USD

    • 空気圧ライン洗浄・カップリング清掃:約 9,282 USD

    • 後部空気圧ライン交換:約 1,340 USD

    • エンジン交換(任意):約 1.3百万 USD


 

FAA SAIB: SW-17-31R4(Fuel System / CRFS)

2025/12/18

FAA SAIB: SW-17-31R4(Fuel System / CRFS)
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/DRSDOCID181638938120231003165709.0001


  • 本SAIBは情報提供目的。推奨事項であり、義務事項ではない。

  • テーマはヘリコプターの耐衝撃燃料システム(CRFS)。事故後火災リスク低減と搭乗者生存性向上に寄与。

  • FAAは、機体がフルCRFSまたはパーシャルCRFSに該当するかを示す一覧ページを提示。

    • フルCRFS:14 CFR Part 27(改正27-30)または Part 29(改正29-35)のCRFS安全基準に適合

    • パーシャルCRFS:米国法 49 U.S.C. §44737(2018年制定、2024年5月16日改正)の最低要件に適合

  • 2024年改正の要点は、法文中の用語を「rotorcraft」から「helicopter」へ置換した点。結果としてジャイロプレーンが適用対象外となる。既存の一次カテゴリ認可ロータークラフトはジャイロプレーンのみであり、当該機は認証基準にCRFSを含まず、将来生産でのCRFS追加も法的に要求対象外。新規のロータークラフト型式設計は、新型式証明手続きの下で適切なCRFS要件が課される位置づけ。

  • 規制上の背景として、1994年11月2日に14 CFR Part 27 改正27-30および Part 29 改正29-35により、ヘリコプター燃料系の耐衝撃性が要求事項化。対象は新規型式証明機に限定。遡及適用なし。1994年以前の型式設計に基づく新造機も適用外。目的は衝突起因の燃料漏れと着火源接触の最小化、事故後火災の発生抑制または遅延、避難可能時間の確保。

  • 追加の法制度として、49 U.S.C. §44737を2018年10月5日に制定。要件発効は2020年4月5日(制定後18か月)。対象は新造ヘリコプター。規制(14 CFR改正群)ほど包括的ではなく、§27.952/29.952、§27.963/29.963、§27.975/29.975の一部要件を採用。ARAC ROPWGが2018年3月23日にFAAへ提示した勧告と整合。

  • 49 U.S.C. §44737の成立後も、燃料系の認証承認プロセス(14 CFR Parts 21/27/29)自体は変更なし。関連SAIB 2023-03はCRFSの自主的導入を後押し。

  • FAAの推奨は、燃料系の耐衝撃性を高めるシステム導入の追求。FAA公開リストは、(1)フルCRFS適合(表1)、(2)最低要件のみ適合(表2左)、(3)最低要件超(表2右)の区分で整理。

  • 一覧ページ: http://faa.gov/aircraft/air_cert/design_approvals/rotorcraft/rspc#crfs





 

FAA AD 2025-24-05 AS332 燃料フィルターボウル

2025/12/17

概要
AD番号:AD 2025-24-05
https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/08/2025-22250/airworthiness-directives-airbus-helicopters

  • 発効日2026年1月12日

  • 置き換え対象:AD 2024-10-13(廃止・上書き)


適用対象機

  • 機種Airbus Helicopters
    AS332C / AS332C1 / AS332L / AS332L1 / AS332L2 / EC225LP

  • 条件

    • 燃料フィルタ P/N 4020P25-5 または 704A44620049 が装着されている機体

    • 2024年2月15日以前に初回耐空証明または輸出耐空証明が発行された機体


背景・不具合内容

  • 燃料フィルタボウルの締付トルク過大により、
    **内面にクラック(亀裂)**が発生する新たな事例が報告。

  • これにより、燃料フィルタボウル破損 → 両エンジンの空中停止 → 機体制御低下の恐れ。


本ADで要求される主な措置

  • LH / RH 両方の燃料フィルタについて以下を実施:

    1. 外面および内面のクラック/滲み(seepage)の目視点検

    2. 不具合が認められた場合:

      • 当該燃料フィルタを**使用停止(撤去)**し、健全品に交換

    3. 改訂された締付トルクを適用

※ 基本的な手順・基準は European Union Aviation Safety Agency AD 2024-0045 に準拠。


旧AD(2024-10-13)からの主な変更点

  • 適用範囲の一部縮小(条件付きで一部機体を除外)

  • 点検範囲に燃料フィルタボウル内面を追加

  • 締付トルク値の改訂

  • EASA ADとの文言差異をFAA仕様に調整
    (例:check → inspection、廃棄 → 使用停止 など)


例外・補足事項

  • 特別飛行許可(Special Flight Permit)不可

  • メーカーへの報告義務・部品返却義務不要

  • AMOC(代替方法):FAAの承認により可能


コスト見積(FAA試算)

  • 点検

    • 2時間/機、部品不要

    • 約170ドル/機

  • 燃料フィルタ交換(必要時):

    • 2時間+部品代

    • 約6,460ドル/フィルタ



 

FAA AD 2025-23-01 AS332

2025/12/17

FAA AD 2025-23-01
(Airbus Helicopters)

発効日https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/08/2025-22238/airworthiness-directives-airbus-helicopters

  • 2026年1月12日

対象機種

  • AS332C / AS332C1 / AS332L / AS332L1

旧AD

  • AD 2020-06-13 を廃止・置換


背景・目的

  • 主減速機(MGB)サスペンションバー取付部のリア側フィッティングおよびボルトが、疲労寿命を超えて使用されることによる
    構造破損 → サスペンションバー脱落 → 機体制御喪失のリスクを防止するため。


本ADの要点

  • 従来の「TIS確認+寿命短縮管理」をやめ、恒久対策へ移行

  • 以下を義務化

    1. MGBサスペンションバー・リンクの改修

    2. 改良設計の新ボルト(EASA文書では“screws”)の装着

    3. 特定旧部品の取付禁止


実施基準

  • 原則として EASA AD 2023-0194R1(2025年3月19日) に従って対応。

  • ただしFAAとしての主な違い:

    • トルク測定による初回交換延期のオプションは認めない

    • 管理基準日は FAA AD発効日(2026/1/12)

    • メーカーへの報告義務なし


実務上のポイント

  • 対象機は リンク改修+改良ボルト取付が最終・終結措置

  • 改修完了までは、EASA ADで定義された交換・管理要求を確実に実施する必要あり。


 

FAA AD 2025-23-07 AS332L2

2025/12/17

FAA AD 2025-23-07
Airbus Helicopters
https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/08/2025-22218/airworthiness-directives-airbus-helicopters

発効日

  • 2026年1月12日

対象機種

  • Airbus Helicopters AS 332L2

  • Airbus Helicopters EC 225LP

背景・目的

  • 主減速機(MGB)サスペンションバー取付ボルト/フィッティングのトルク低下および疲労寿命超過のリスクに対応。

  • 既存AD(AD 2020-06-12)を改訂・置換し、**設計改良(リンク取付)**を含む恒久対策を義務化。


主な要求事項(概要)

1. ボルト/フィッティングの寿命管理(改修未実施機)

  • 有効日後30時間TIS以内に、対象ボルト/フィッティングの累積TISを確認。

  • 指定のアドオン係数を適用して**寿命限界(SLL)**を算出。

  • 寿命到達・超過部品は即時取外し(関連ナット・割ピン・ワッシャ含む)。

  • 以後、毎フライト前に寿命計算・記録を継続。

2. トルク点検

  • 指定時間内にナットの締付トルク点検を実施。

    • 上限超過:ボルト/ナット/割ピンを取外し。

    • 下限未満:規定トルクへ再締結後、一定時間内に新品へ交換。

3. 設計改修(リンク取付:恒久対策)

  • AS 332L2:825時間TISまたは27か月以内(先到)

  • EC 225LP:1,320時間TISまたは40か月以内(先到)

  • MGBサスペンションバーに新リンクを取付(指定ASB/EASBに従う)。

  • 改修完了後は寿命管理(ボルト/フィッティングのSLL算出)を終了(終結措置)。

4. 取付禁止

  • 有効日以降、指定P/Nのボルト/フィッティングは、

    • 寿命管理を満たし、

    • 本ADの要求を全て満たす場合を除き、取付禁止。

5. 既往作業のクレジット

  • 過去の指定リビジョンのEASBで実施済みの初回寿命計算は条件付きでクレジット可。


安全上の意義

  • 放置すると、MGB取付部の構造破損 → サスペンションバー脱落 → 機体制御喪失に至る恐れがあるため、早期の点検・改修が必須。


実務上のポイント(整備・調達)

  • 改修未実施機は短期(30時間TIS)対応が必要。

  • リンク取付改修が最終解となるため、部品手配・工数計画を前倒しで準備。

  • トルク値・ワッシャの向き等、**ASBの定義差替(本ADの読み替え指示)**に注意。


 

FAA AD 2025-24-01 EC155B 脱出用ウィンドウ Jettisonable Windows

2025/12/17

FAA 耐空性改善命令(AD)2025-24-01 

(対象:Airbus Helicopters
https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/08/2025-22225/airworthiness-directives-airbus-helicopters

1. 概要

  • 本ADは、EC155B / EC155B1 全機を対象とした新規AD

  • 非常時に窓(脱出用ウィンドウ)を投棄(ジャティソン)する際、
    必要な力が規定最大値を超えていることが判明したため発行された

  • 改良型の脱出用ウィンドウおよびシールへの交換と、新ラベルの装着を義務付

2. 適用機種

  • EC 155B

  • EC 155B1
    (すべてのカテゴリーで型式証明された機体)

3. 発効日

  • 2026年1月12日

4. 不具合内容(Unsafe Condition)

  • 非常時にウィンドウを投棄するための操作力が過大で、
    緊急脱出が困難となる可能性がある

  • 対応しない場合、非常時の乗員避難能力が低下し、負傷につながるおそれがある

5. 主な要求事項

本ADでは、EASA AD 2024-0173 を基本として、以下を要求

  1. 脱出用ウィンドウの交換

    • 左右両側の

      • スライドドア

      • 固定パネル

    • それぞれの ジャティソン可能ウィンドウを改良型へ交換

  2. シール(パッキン類)の交換

    • 上記ウィンドウに関連するシールを新品へ交換

  3. 新ラベルの装着

    • スライドドアおよび固定パネルに指定された新しいラベルを装着

6. EASA AD 2024-0173 との差異(FAA独自点)

  • EASA AD の発効日表記は、FAA AD の発効日(2026/1/12)に読み替え

  • 飛行時間は Flight Hours → TIS(Time in Service) に読み替え

  • メーカーへの報告義務はFAA ADでは不要

  • EASA AD の “Remarks” セクションは採用されない

7. 想定コスト(米国登録機:16機)

  • 作業工数:48時間 × 85 USD = 約4,080 USD

  • 部品費用:最大 約53,553 USD

  • 1機あたり最大 約57,633 USD

  • 米国全体での最大想定コスト:約922,128 USD

8. 実務上のポイント(要点整理)

  • 本ADは 点検ではなく「部品交換」が必須

  • 左右両側・ドアおよび固定パネルすべてが対象

  • EC155 系を運用している事業者・整備部門では、
    2026年1月12日までの改修計画立案が必須となる

    Jettisonable Windows 取外動作(参考動画)
    https://www.youtube.com/watch?v=t4pcSYbnzEM


 

FAA AD 2025-24-04

2025/12/17

FAA 耐空性改善命令(AD)2025-24-04 

Airbus Helicopters
https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/08/2025-22234/airworthiness-directives-airbus-helicopters

1. 概要

  • 本ADは、**AD 2021-20-16 を改訂(置き換え)**

  • 垂直尾翼(Vertical Fin)上部のスパー(桁)および前方取付ねじの亀裂・破断という安全上の不具合に対応します。

  • 改良型上部フィンアセンブリへの交換を最終対策(終結措置)として要求します。

2. 適用機種

  • AS350B3

  • AS355E / F / F1 / F2 / N / NP
    (※EASA AD 2024-0139 に基づき特定)

3. 発効日

  • 2026年1月12日

4. 不具合内容とリスク

  • 垂直尾翼上部のスパーに構造亀裂、前方取付ねじに破断が確認。

  • 対応しない場合、飛行中に垂直尾翼上部が脱落し、操縦不能に至るおそれがあります。

5. 主な要求事項

  1. 反復点検の継続

    • 垂直尾翼右側(上部取付部周辺)の清掃および目視/詳細点検

    • 必要に応じて DPI または FPI を実施

      • 既往点検履歴により DPI または FPI を使い分け

  2. 飛行マニュアル(RFM)の改訂および制限表示(プラカード)

    • 速度制限(VNE関連)を反映

  3. 改良型上部フィンアセンブリへの交換(終結措置)

    • P/N 355A14-0522-1751 を装着することで

      • 反復点検および速度制限が不要になります

    • 旧仕様部品の再装着は禁止

6. EASA AD 2024-0139 との主な差異(FAA独自点)

  • DPI/FPI の使い分けをFAAが明確化

  • 修理方法は FAA / EASA / Airbus Helicopters(EASA DOA)承認方式に限定

  • パイロットが実施可能とされる一部作業は、FAA ADでは認めない

  • メーカーへの報告義務は FAA ADでは不要

7. 想定コスト(米国登録機 約650機)

  • RFM改訂・プラカード:約110 USD / 機

  • 清掃・点検:約213 USD / 機

  • 上部フィン改修(部品+工賃):約26,975 USD / 機
    ※一部はメーカー保証で軽減される可能性あり


8. まとめ(実務上のポイント)

  • 反復点検は必須だが、

  • 改良型上部フィンアセンブリへの交換で終結できる点が最大のポイントです。


 

FAA AD 2025-25-01 Bell 427 オイルチェックバルブ亀裂

2025/12/17

FAA AD 2025-25-01(Bell Model 427)

発行機関
米国 Federal Aviation Administration(FAA)

対象機種
Bell Textron Canada Limited
Model 427 ヘリコプター
シリアル番号:56001〜56084、58001、58002

背景・原因

  • トランスミッション潤滑系に使用されているオイルチェックバルブ
    (P/N 209-062-520-001、2009年製/Circor Aerospace製)に亀裂が発生した事例が報告された。

  • 原因は、組立時に誤ったトルクが入口側ねじ継手に加えられたことによるもの。

  • 亀裂や漏れが発生すると、トランスミッション潤滑不良 → トランスミッション故障 → 機体制御喪失に至るおそれがある。

ADの主な要求事項

  1. チェックバルブの外径測定

    • ハウジング中央部と入口側端部の外径を測定。

    • 入口側が中央部より 0.003インチ(0.0762 mm)超の場合、追加措置が必要。

  2. 反復点検(条件付き)

    • 規定値超過の場合、漏れ・亀裂の目視点検を定期的に実施。

  3. 交換(終結措置)

    • 亀裂または漏れが確認された場合、新品(TIS 0時間)へ交換

    • 交換後は反復点検不要。

  4. 取付禁止

    • 対象となる当該チェックバルブの新規取付を禁止

準拠文書

  • **Transport Canada AD CF-2024-42(2024年12月13日付)**の内容を基本として遵守
    (FAA ADでは一部用語を「new(zero hours time-in-service)」に読み替え)

発効日

  • 2026年1月16日

影響機数(米国登録)

  • 14機

概算コスト(参考)

  • 初期測定:1機あたり 約127.5米ドル

  • 反復点検:1回 約85米ドル

  • バルブ交換(必要時):約881米ドル

結論

  • コメント提出はなく、NPRMどおり最終採択

  • 安全上の必要性から、本ADはそのまま施行される。


 

MS21042 ナット不良品

2025/12/16

標準ファスナー(MS/AN/NAS)非適合品に関する注意

FAAより、MS/AN/NAS規格ファスナーに非適合品が混入する可能性について注意喚起(SAIB)が発出
特にMS21042セルフロッキングナットでは、一部ロットにおいて**運用中の割れ(主に -3〜-6 サイズ)**が確認されており、水素脆化等の製造起因による潜在不具合が指摘されている
本件は現時点でAD対象ではありませんが、航空安全上、十分な注意を要する事案

【対応の要点】

  • 在庫品および機体搭載品における、非適合が疑われるMS21042ナットの有無の確認

  • 構造部、機械リンケージ、操縦系統など安全上重要な箇所に使用されている場合、次の機会における目視点検の実施(可能な範囲で10倍ルーペの使用

  • 新規入荷ロットのセルフロッキングナットに対する、受入時のトルクチェックおよび外観確認の強化


    FAA SAIB
    要約

    SAIB: HQ-14-16R1 / 2025年12月10日付)。

    文書の位置づけ

    • FAAの**Special Airworthiness Information Bulletin(SAIB)**で、情報提供と推奨が目的。

    • 法的強制力はなく、遵守は義務ではない(ADではない)。

    • 現時点では「直ちにADを出すべき不安全状態」とは判断していないが、過去のADで非適合ファスナーが不安全につながり得る点は指摘されている。

    何についての注意喚起か

    • MS/AN/NAS規格のファスナーに、非適合品(non-conforming)が混入する可能性があることを業界へ周知。

    • 特に使用頻度が高い MS 21042 ナットを主対象としているが、他の標準ファスナー全般にも関係する内容。

    背景(なぜ問題になるか)

    • EASAのSIB(2012-06R2)でも、MS 21042のほか NAS1291ナット、NAS625ボルト等で非適合の報告がある。

    • 2008年以降、一部ロットで製造上の潜在欠陥が散発。

    • MS 21042(特に -3〜-6 サイズ)で、運用中に割れが発見された例があり、水素脆化などが疑われた。

    • 1990年代半ば以降、MS/AN/NASの管理が軍・政府から民間標準化団体へ移ったが、軍のように製造者認証・適合監視・サーベイランスを行わないため、規格適合の担保は基本的にメーカー責任になる、という構造的背景がある。

    FAAの推奨(現場で何をすべきか)

    1. 非適合のMS 21042ナットを在庫・機体から特定し、適切に除去する措置を検討。

    2. 安全上重要な箇所(構造結合、機械リンケージ、操縦系統など)に装着されているナットは、次の機会に目視点検を推奨。

      • 表面の傷、えぐれ、割れ等を確認

      • 可能なら **10倍ルーペ(10X)**使用

    3. 新規に入荷したセルフロッキングナットのロットについて、トルクチェック試験を推奨。

      • ボルトに組み付け(必要に応じスペーサ使用)

      • 表のトルク値で締結し、1週間その状態で保持

      • 試験数量:同一製造バッチの1%(端数切上げ)または20個の少ない方

      • その後、座面・レンチ掛け部の割れを目視確認(10X、必要により浸透探傷等も検討)

    ※表(Table 1)は、サイズ(-02〜-10等)ごとの**推奨トルク試験値(In-lb / Nm)**と、A286材(NAS1291C)向けの値も併記。
    校正済みトルクレンチ使用を明記。

    品質管理面の推奨

    • メーカー、所有者、運航者、整備者に対し、受入検査の厳格さ品質管理プロセス全体を見直し、非適合ファスナーが品質システムへ入り込む前に捕捉することを推奨。

    報告のお願い(重要)

    • 点検で 割れ・欠陥のあるMS21042ナット等を発見したら報告してほしい。

    • 報告先:operationalsafety@faa.gov

    • 件名に “Standard Fasteners” を入れる。

    • 記載推奨情報:部品番号、メーカー名、刻印/マーキング情報(写真推奨)、ロット番号、取り付け位置、装着後の期間、可能なら欠陥部と刻印のjpg写真。

    連絡先(FAA)

    • Matthew Bryant(FAA Aviation Safety Engineer, デンバー)
      電話: (303) 342-1092 / email: matthew.bryant@faa.gov


 

FAA AD 2025-25-02 Safran 携帯呼吸装置 PBE

2025/12/10


FAA AD 2025-25-02

Safran Aerosystems(旧 Air Liquide)製 携帯用呼吸装置(PBE)に関する耐空性改善命令**

1. 発行理由

特定の携帯用呼吸装置(PBE:Portable Breathing Equipment)において、誤った着用(donning)手順による誤使用の事例が報告された。
誤使用のままPBEを装着すると、酸素供給が作動しない可能性があり、乗務員の機能喪失や緊急時対応不能、最悪の場合死亡につながる危険性がある。

原因として、従来の取扱説明書・ピクトグラムが誤解を招く表現だったとされる。


2. 対象装備

Safran Aerosystems(旧 Air Liquide)製

  • P/N 15-40F-11

  • P/N 15-40F-80

すべてのシリアル番号
※製造時インストール/STC/その他改修で搭載された全航空機が対象。


3. 要求される措置

発効日から30日以内に、PBEの着用手順(donning procedure)を改訂版へ更新すること。

Safran Aerosystems Service Bulletin 1540F-35-001(2025年10月10日付) に定められた新しい手順を、以下のいずれかに組み込む:

  • 輸送カテゴリ航空機:既存の整備・点検プログラムへ反映

  • それ以外の航空機

    • 91.417(a)(2) または 135.439(a)(2) に従う記録への追記、または

    • 承認済み整備/点検プログラムへ反映
      ※ 非輸送カテゴリ機では、プライベートパイロット資格以上の機長自身が記録に追記して完了としてよい(作業が簡易のため)。

また、旧来の誤解を招くピクトグラムを交換し、SBに記載の手順へ必ず置き換える。


4. 新手順の主なポイント(SB概要)

  • 黒いネックシール部分のみを掴んで取り出す(他の部分を掴むと破損や誤作動の恐れ)

  • 手をパッケージ内部に入れない

  • フード展開手順を明確化

  • 装着直後に 酸素流入音が聞こえることを必ず確認
    → 作動しない場合は即座に使用中止・交換


5. 発効日とコメント受付

  • 発効日:2025年12月24日

  • コメント受付期限:2026年1月23日


6. 緊急発行(Immediate Adoption)の理由

  • 誤着用による乗務員機能喪失のリスクが高く、緊急時の安全性に直結

  • コメント期間を待つことは「公共の利益に反する」と判断

  • よって 事前の意見募集を行わず、即時性の高い最終規則として発行


7. 影響規模とコスト

  • 対象装置:約 80,000台(米国内搭載数は不明)

  • 作業時間:約 1時間 × $85

  • 米国内最大総コスト:約680万ドル


8. AMOC(代替方法)の扱い

  • FAA International Validation Branch に申請することで承認され得る。

  • ただし、改訂手順そのものの代替は原則不可(AMOC 必須)。


9. 参考資料

  • Safran Aerosystems Service Bulletin 1540F-35-001(2025/10/10)

  • EASA AD 2025-0222
    ※SBの参照が AD によって義務化される


https://ad.easa.europa.eu/blob/FC3L3_1540F-35-001_Rev00.pdf/AD_2025-0222_2

 


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