SAIB HQ-14-16R2 MS21042ナットを中心とした標準ファスナーの非適合品に関する注意喚起であり、受入検査・在庫確認・重要部位の点検を強化するよう求める

2026/06/10

SAIB HQ-14-16R2
標準ハードウェア、AN/MS/NAS ファスナー
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/DRSDOCID186448297520260602141906.0001

本SAIBは、航空機・ヘリコプター・エンジン・装備品に使用される MS、AN、NAS規格ファスナー に、非適合品が含まれる可能性があることを注意喚起するものである。

特に MS21042ナット は航空機で広く使用されており、過去に -3〜-6サイズ のナットで、使用中または点検時に割れが確認されている。原因として 水素脆化 または製造上の潜在欠陥が疑われている。

今回の改訂は、タイトルの誤り修正と、ボルト番号を NAS625 から NAS626 に修正するためのものである。

現時点では、安全上ただちにAD発行が必要な状態ではないため、AD措置は行われていない

FAAの推奨事項

  • 非適合の可能性がある MS21042ナット を在庫および機体から確認し、必要に応じて取り外すこと。
  • 重要な箇所に取り付けられているナットは、次回機会に目視点検すること。
  • 点検では、傷、えぐれ、割れなどの表面異常を確認すること。
  • 可能であれば 10倍拡大鏡 を使用すること。
  • 新しく入荷するセルフロックナットは、受入検査時にトルク試験を実施すること。
  • 同一ロットから 1%切上げ、または20個の少ない方 を抜き取り検査すること。
  • 指定トルクで締付けた状態で 1週間保持 し、その後、座面およびレンチ掛け面に割れがないか確認すること。
  • 必要に応じて、浸透探傷などの追加検査も検討すること。

不具合発見時の報告

MS21042ナット、またはその他標準ファスナーに割れ・欠陥が見つかった場合は、FAAへ報告することが求められている。

報告先:operationalsafety@faa.gov
件名:Standard Fasteners

報告内容には、部品番号、メーカー、マーキング、ロット番号、取付位置、使用時間、写真などを含めることが望ましい。


 

FAA AD 2026-11-05 S-61系ヘリコプターのYaw Pedal Damper Check Valve Housingおよび取付ボルトの疲労損傷によりテールローター制御喪失事故が発生したため、毎日の点検・FPI検査・30,000時間寿命管理・部品交

2026/06/10

FAA AD 2026-11-05 

https://www.federalregister.gov/documents/2026/06/04/2026-11185/airworthiness-directives-various-helicopters

Sikorsky S-61シリーズおよび派生型ヘリコプター


背景

Sikorsky S-61Nにおいて、テールローター操縦能力喪失事故が発生した。

調査の結果、

  • Yaw Pedal Damper Check Valve Housing の疲労亀裂
  • 取付ボルトの疲労破断

により補助油圧系統の作動油が漏洩し、テールローター制御能力が低下したことが判明した。

さらに、

  • ハウジング取付ラグ半径の製造不適合
  • ボルト締付トルク不良
  • セーフティワイヤ施工不良
  • RFM記載の運用制限不遵守

も要因として確認された。


対象機種

  • S-61A
  • S-61D
  • S-61E
  • S-61L
  • S-61N
  • S-61NM
  • S-61R
  • S-61V
  • SH-3H
  • SH-3A
  • CH-3E
  • HH-3C
  • HH-3E
  • その他派生型

FAAの懸念

Yaw Pedal Damper Housing および取付ボルトに亀裂が発生すると、

  • 油圧作動油漏洩
  • テールローター操縦能力喪失
  • 機体制御性低下
  • 最終的な機体喪失

につながる可能性がある。


要求事項

1. 毎日の飛行前点検

AD発効後、

毎日の初回飛行前

に以下を点検する。

  • ロックワイヤ状態
  • 油漏れ
  • ハウジング亀裂
  • ボルト緩み
  • ボルト破損
  • ボルト欠落

など。

異常が発見された場合は飛行前に交換を実施する。


2. 残寿命確認

発効後10時間TIS以内に、

P/N S6165-61517

Yaw Pedal Damper Check Valve Housing の残寿命を算出し記録する。


3. 強制交換

以下のいずれか早い時点で交換する。

  • 総飛行時間30,000時間到達前
  • AD発効後60日以内


4. FPI検査

発効後、

  • 150時間TIS以内
    または
  • 4か月以内

のいずれか早い時期に蛍光浸透探傷検査(FPI)を実施する。

亀裂が見つかった場合は交換する。


5. 継続点検

FPI完了後は、

15時間TIS毎

に繰返し目視点検を実施する。


6. 整備記録改訂

発効後30日以内に、

Yaw Pedal Damper Check Valve Housing の寿命を

30,000時間TIS

として整備プログラムへ追加する。


7. RFM改訂

発効後30日以内に、

飛行前点検手順へ新たな注意事項を追加する。


特記事項

  • Special Flight Permit(特別飛行許可)は認められない。
  • 亀裂や油漏れが確認された場合は飛行禁止。
  • Sikorsky ASB 61B65-25が技術根拠文書となる。


 

FAA SAIB 2026-11 破壊処理前のターボファンエンジン部品盗難について

2026/06/10

FAA SAIB 2026-11 
https://drs.faa.gov/browse/excelExternalWindow/DRSDOCID189850966520260608131428.0001

件名: 破壊処理前のターボファンエンジン部品盗難について
SAIB: 2026-11
発行日: 2026年6月8日

※本SAIBは情報提供のみであり、法的な実施義務はない。


概要

FAAは、CFM56-5B、CFM56-7B、V2500、PW1100G、RB211-535E4エンジン向けの廃棄予定だった非耐空性部品が盗難に遭った事案について注意喚起を行った。

これらの部品は本来、耐空性を失ったため破壊処理(Mutilation)される予定であったが、処理前に第三者によって不正に持ち去られた。

現時点ではAD(耐空性改善命令)発行を必要とする不安全状態とは判断されていない。


経緯

2026年1月下旬、第三者が正規の破壊処理業者になりすまし、破壊処理施設へ輸送中だった12コンテナ分のエンジン部品を不正に取得した。

2026年3月17日、スペイン航空安全庁(AESA)が不正な輸送先変更を発見し、EASAへ正式に報告した。

現在、スペイン国家警察および Guardia Civil が刑事捜査を実施している。


盗難部品の内容

盗難品には以下が含まれる。

  • シリアル番号管理部品:625点
  • 非シリアル管理部品:9,740点

対象エンジン:

  • CFM56シリーズ
  • V2500シリーズ
  • PW1100Gシリーズ
  • RB211シリーズ

盗難品には、

  • 重要エンジン部品
  • LLP(Life Limited Parts:寿命管理部品)

が含まれている。


安全上の懸念

これらの部品は正式に非耐空品として除籍されており、航空機への搭載は認められない。

万一市場へ流出し航空機へ装着された場合、

  • LLP寿命超過使用
  • エンジン重大故障
  • エンジンアンコンテインメント(破片飛散)

などの重大事故につながる可能性がある。


FAA推奨事項

1. EASAアラートの確認

EASA Alert OC-EASA-2026002221を確認すること。

特に盗難部品のシリアル番号リストを参照すること。


2. SUP通知サービスへの登録

FAAの

Suspected Unapproved Parts(SUP)

通知サービスへ登録し、不正部品情報を受領すること。


3. トレーサビリティ確認の強化

対象エンジン向け部品購入時には、

  • 完全な履歴確認
  • 所有履歴(Chain of Custody)の確認
  • EASA公表シリアル番号との照合

を実施すること。

特に、

  • LLP
  • Critical Engine Parts

について注意すること。


4. サプライヤー管理強化

FAA AC 21-29D

「Detecting and Reporting Suspected Unapproved Parts」

に基づき、

  • 供給者評価
  • 調達管理
  • 受入検査

を強化すること。


5. メーカー発行情報の確認

以下メーカーが発行する運航情報・サービス通知を確認すること。

  • CFM International
  • Pratt & Whitney
  • Rolls-Royce Deutschland

 

FAA AD 2026-12-03 (AS350/AS355/EC130シリーズ MGB磁気プラグ点検 ベベルホイールのボアスコープ点検 摩耗粉発見時の分析 継続的 今回のADは主に点検周期の修正であり、整備内容自体は従来AD 2025-06-04とほぼ

2026/06/10

FAA AD 2026-12-03
https://www.federalregister.gov/documents/2026/06/09/2026-11560/airworthiness-directives-airbus-helicopters

(Airbus Helicopters)

FAAは、既存の AD 2025-06-04 を置き換える新しい AD 2026-12-03 を発行した。

対象機種は以下の Airbus Helicopters:

  • AS350B/B1/B2/B3/BA/D
  • AS355E/F/F1/F2/N/NP
  • EC130B4
  • EC130T2

発効日:2026年7月14日


発行理由

主減速機(MGB:Main Gearbox)内の特定プラネタリーギアベアリング装着機において、金属粒子(摩耗粉)の検出能力向上が必要であることが判明した。

MGB内で異常摩耗が進行した場合、

  • MGB損傷
  • ヘリコプターの操縦性低下
  • 最悪の場合、機体制御喪失

につながる可能性がある。


主な要求事項

EASA AD 2023-0044 をFAA規則として適用。

1. 定期ボアスコープ点検

対象MGBについて、

  • ベベルホイール(Bevel Wheel)
  • ギア周辺

をボアスコープで繰り返し点検すること。


2. MGB磁気プラグ点検

定期整備時に

  • MGB磁気プラグ

を確認し、金属粒子が発見された場合は追加調査を実施すること。


3. 粒子分析

発見した粒子について

  • 回収
  • 金属分析(Metallurgical Analysis)

を実施し、発生源を特定すること。


4. 必要に応じた修理

分析結果により、

  • エピサイクリックモジュール交換
  • ベベルリダクションモジュール交換
  • FAA/EASA承認修理

を実施すること。


5. MGB取付制限

対象MGBについては、

規定された検査を実施していない限り機体へ装着禁止。


今回の改正点

FAAは前回の AD 2025-06-04 において、

点検間隔(Compliance Time)に誤りがあった

ことを確認した。

今回のADでは、

  • 点検間隔の誤記を修正
  • EASA AD 2023-0044の要求に完全整合

させている。

技術要求そのものに大きな変更はない。


FAA推定コスト

作業 概算費用
MGBボアスコープ点検 約85ドル
粒子回収・分析 約510ドル
追加監視 約170ドル/回
エピサイクリックモジュール交換 約55,284ドル
ベベルリダクションモジュール交換 約23,260ドル


 

FAA AD 2019-23-07 787の前脚ロック機構に誤挿入の可能性があり、地上で前脚が格納する危険があるため、誤挿入防止インサートの取付を義務

2026/06/06

FAA AD 2019-23-07 要約 
https://www.federalregister.gov/documents/2019/12/12/2019-26734/airworthiness-directives-the-boeing-company-airplanes

概要

FAAは、ボーイング787シリーズの一部機体に対し、新たな耐空性改善命令(AD)を発行した。

発行理由

地上で機体重量が脚に掛かった状態にもかかわらず、ノーズランディングギア(NLG)が格納した事例が報告された。

原因は、NLG Downlock Pinが誤ってApex Pin Inner Boreへ挿入される可能性があるため。これにより、

  • 地上でNLGが格納する
  • 作業員や乗客が負傷する
  • 機体に重大な損傷が発生する

危険がある。

対策

Apex Pin Inner Boreに専用インサートを取り付け、誤った位置へのDownlock Pin挿入を防止する。

対象機

  • Boeing 787-8
  • Boeing 787-9
  • Boeing 787-10

ライン番号6〜848の機体。

実施内容

Boeing Requirements Bulletin B787-81205-SB320040-00 RB Issue 001
(2019年3月12日付)に従い、インサート取付作業を実施する。

費用(FAA見積り)

1機あたり

  • 工数:2時間
  • 労務費:約170ドル
  • 部品代:約1,820ドル
  • 合計:約1,990ドル

発効日

2020年1月16日。





AAIB 資料
https://assets.publishing.service.gov.uk/media/60ed9e3be90e0764d1be271a/AAIB_Special_Bulletin_S1-2021_G-ZBJB.pdf


 


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