アイシング(着氷)テイルストール (Tailplane Icing )

2009/02/17
テールプレイン
(ターボプロップなどのコミューター機)
は飛行特性として
ノーズが下がろうとする
力がかかっている

CG 
機体の中心位置が
主翼で発生する揚力より
前方に位置するため
ノーズが下がる力がかかっている

その為
水平尾翼で下向きの力を加えて
ノーズを上げて
機体の水平バランスを保っている

主翼は翼面は
上面が膨らんでいるが
水平尾翼は 
翼面は下の方が膨らんだ形状となっている
下方へ揚力を発生させている

水平尾翼には主翼と比べて
2-3倍 着氷しやすくなる
リーディングエッジの形状がシャープで
先端に着氷しやすい

水平尾翼に着氷すると
テイルストール
(tail stall 尾翼失速)を起こす場合がある

失速には
ウィングストールと
テールストールの2種類があるが
水平尾翼に着氷した場合の
テールストールは
通常のストール(ウイングストール)とは
反対の操作方法で失速回復する

- tail stall recovery -
テールストールからの回復方法
ノーズを下げるのではなく
ノーズを上げる(操縦桿を引く)pull back yoke
フラップ up    ( flap reduce )
パワー 減らす( power reduce )
パイロットは
操縦桿(yoke)は下がろうとする力を感じるので
下げる方向には力が要らない
ノーズを上げるには(操縦桿を引くには)力が必要となる
副操縦士の力添えも必要となる程

1) pull back yoke (copilot assistace may be required)
2) flap reduce 
   (immediately raise flaps to the previous setting)
3) reduce power 
    (if altitude permit , otherwise maintain power)



- 着氷が予想される気象を飛行する場合 -
ピッチの操作はゆっくりと行う
特に機体がノーズ下げの動作をする場合
(テールストールの前兆)

フルフラップを使用しない
水平尾翼への空気の流れを邪魔するので
(フルフラップでは
水平尾翼のアングルオブアタックが増す為
翼下面の流れが剥がれる 空気の流れに渦ができる)


オートパイロットは使用しない
マニュアルでコントロールする
(オートパイロットはテールストールする
前兆が伝わらない
テールストールする前兆はノーズが下がる傾向に注意

水平飛行では
テールストールの前兆が判らず
着陸等のアプローチで機体の姿勢を変える際
(フラップダウン、機首 ピッチの変更時になって
やっとパイロットが気付く場合が多い

操縦席からは水平尾翼の着氷が目視ができない
テイルストールは
比較的早いスピードで発生する

- tail stall の前兆 -
 フラップを延ばした際
バフェッティング、
操縦桿が軽い、
トリムが難しい
パイロットは操縦桿からこれらを感じた場合は
tail stall の可能性がある

その場合は
フラップをリトラクトして 
バフェッティングの前の設定に戻し
操縦桿を引く事が重要
デアイサーを作動させる
ファイナルアプローチ中でもこの操作が有効


NASAのビデオ
http://video.google.com/videoplay?docid=2238323060735779946

http://aircrafticing.grc.nasa.gov/courses/inflight_icing/related/3_2_3f_RI.html
NASA アイシング講座
http://aircrafticing.grc.nasa.gov/courses.html

その他参考資料
http://www.grc.nasa.gov/WWW/RT/RT1998/5000/5840ratvasky.html

http://www.aopa.org/asf/publications/sa11.pdf

http://gltrs.grc.nasa.gov/reports/1999/TM-1999-208901.pdf


&feature=related

 
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