FAA AD 2025-11-07 Robinson R44

2025/06/11

米国連邦航空局(FAA)耐空性改善命令(AD 2025-11-07) 
https://www.federalregister.gov/documents/2025/06/06/2025-10097/airworthiness-directives-robinson-helicopter-company-helicopters



対象機種:

  • Robinson Helicopter Company

    • R44

    • R44 II


発効日:

  • 2025年7月11日


背景:

  • メインローター(M/R)駆動系のクラッチシャフト前方ヨーク(yoke)の疲労亀裂による破損報告。

  • 既存のAD(2024-19-11)で点検と交換が義務付けられていたが、代替点検方法に関する明確化が必要との判断。


主な変更点(2024-19-11からの差分):

  • 代替手段としての磁粉探傷検査が繰り返し行われるべきことを明記。

  • 塗装除去剤として「Bonderite S-ST 5351」の使用を新たに認可。

  • 「初回装着」には、磁粉探傷検査後の再装着も含まれることを明記し、適用条件を明確化。


FAAが義務付ける対応:

  1. 100時間TIS以内に以下を実施:

    • フレックスプレート(P/N C947-1)の緩み、亀裂、腐食等の目視点検。

    • ヨーク(P/N C907-1, C907-2, C908-1)の亀裂や摩耗の点検。

    • 各フレックスプレートボルトのトルクストライプ、パルナット等の確認。

  2. 特定の累積時間または使用年数を超える前に以下のいずれかを実施:

    • ヨークの交換(新しいボルト・ナット・パルナットで再組付け)。

    • 塗装除去後、10倍ルーペでの点検と磁粉探傷検査を組み合わせた代替手順を選択可能。


費用見積(米国登録機体 1,725機):

  • フレックスプレート点検:$21/機体(全体 $36,225)

  • フレックスプレート交換:$1,325/機体

  • ヨーク点検(ボルト含む):$106/機体(全体 $182,850)

  • ヨーク交換:$1,400/機体(全体 $2,415,000/交換サイクル)

  • ヨーク塗装除去・拡大検査:$128/機体

  • 磁粉探傷検査:$128/機体

  • トルク適用:$85/機体


特記事項:

  • 乗客がいない限り、整備地点までの一時飛行許可(Special Flight Permit)発行が可能。

  • 代替方法(AMOC)の申請はFAA西部認証支局に提出が必要。


目的:

  • クラッチシャフト前方ヨークの疲労亀裂によるメインローター駆動損失と、それに伴う制御喪失の防止が目的とされる状況報告



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